銅像ハンターtaguttiの銅像ハンティング記

銅像好きがこじれてよじれて20年以上。日本中の銅像ハンティングは続きます…

鳥取県編 その16

〇夜行さん(やぎょうさん)…阿波国徳島県)に伝わる妖怪。大晦日・節分・庚申の日・夜行日(陰陽道による物忌みの日)に現れ、首切り馬(首のない馬の妖怪)に乗って徘徊する鬼の仲間。遭遇した人は投げ飛ばされたり、馬の脚で蹴飛ばされたりしてしまう。運悪く遭遇してしまったら、草履を頭にのせて地面に伏せていると通り過ぎていく。地域によっては「首切り馬」そのものを「夜行さん」と呼ぶところもある。 

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〇川猿…遠江国静岡県榛原郡に伝わる妖怪。川辺に棲み、体中から魚の臭いがするという。子供の姿で人を化かしたり、馬はこの妖怪に会うと倒れて死んでしまったりするらしい。弱点は目と股で、ここに矢を受けるとたちまち弱ってしまう。性格的には臆病だが、助けてくれた人の顔は忘れないという。 

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〇やまびこ…山彦。山の神、妖怪。山や谷の斜面に向かって発した音(声)が、反響して少し遅れて返ってくる現象を、山彦が応えた声や山彦の起こした現象として考えたところから生まれたらしい。 

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〇白うねり…白溶(容)裔。鳥山石燕の『百器徒然袋』にある妖怪。古い布巾や雑巾が化けたもの。人間を襲い、体を覆う不快な粘液と悪臭で人を気絶させるという。ただ、石燕の創作した妖怪と思われる。 

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〇倉ぼっこ…岩手県遠野地方に伝わる妖怪。倉の守り神とされる。子供ほどの背丈で、全身が毛むくじゃら、頭髪が前身を覆うほど長い姿。人に危害を加えず、むしろ人を助けるという。 

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〇足長手長…日本や中国に使わる妖怪。「手長足長」で1種の妖怪ではなく、「手長人」「足長人」という2種の妖怪である。手長人は「手長国」、足長人は「足長国」の住人で、名前のとおりである。海で漁をする際には、手長人・足長人が常にペアとなって出かけ、足長人が手長人を背負って海に入り、手長人が魚を捕まえるという。中国古代の地理書『山海経』に記された「長股」「長臂」にあたるとされる。 

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〇川うその化け物…タヌキやキツネのようにカワウソも化けるといわれていて、カワウソは、夜になると頭にかぶる川笠を逆さにかぶり、人間の子どもに化けて酒を買いに行く。きれいな女性に化けることもある。像の左手に持つ提灯は、油ではなく酒が入っているという。

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〇毛受毛現(けうけげん)…鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』にある、毛むくじゃらの妖怪。「希有希現」とも書かれ、めったに会えないものだという。石燕はこれしか書いていないが、近年では、床下など湿ったところに棲み、これがいると家に調子の悪い人や病人が出たりするという解説がつく。 

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〇海坊主…「海法師」「海入道」とも。夜海に出没し、穏やかだった海面が急に盛り上がり、黒老い坊主頭の巨人が現れて船を破壊するという。船幽霊と共に、海での幻覚談が伝わったとされる。 

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〇のっぺらぼう…「野箆坊」。顔に目・鼻・口のない妖怪。外見は人に近いが、前記の通りの姿である。本所七不思議の「置いてきぼり」に登場したり、小泉八雲の『怪談』の「狢(むじな)」に登場したりする(ただし本編には「のっぺらぼう」のことばは登場しない)。八雲の話のように、タヌキ・キツネ・ムジナが人を化かすパターンとして紹介される。いずれの話でも登場人物は2回にわたって驚かされるところが特徴である。

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