銅像ハンターtaguttiの銅像ハンティング記

銅像好きがこじれてよじれて20年以上。日本中の銅像ハンティングは続きます…

鹿児島県編  その14

〇長島公祐 (1920~2003)

 実業家。鹿児島県大島郡喜界町出身。1951年に長島商事を設立、1960年に指宿市で熱帯植物の育成販売を始める(現長島植物園)。1970年に鹿児島県唯一の遊園地、かごしま国際ジャングルパーク(現フレスポジャングルパーク=現在は大和リース運営の複合レジャー施設)を建設、1972年に長島熱帯植物園を開園した。その後故郷の喜界町に図書館を寄贈、1989年には長島文化財団を作り、長島美術館を建設した。

<長島公祐像>

場所:長島美術館(鹿児島県鹿児島市武3-42-18)

竣工: 2001年10月

像高:

作者:南安廣

撮影時:2020年3月22日

説明:像の設立時に長島氏は存命。なので寿像である。氏の「傘寿」と会社設立50周年の祝賀で立てられたようだ。

 以降、長島美術館の入り口に並ぶ胸像を紹介する。いずれも芸術家たちである。長島美術館は、鹿児島市の武岡台にあり、桜島を見通せる風光明媚な場所である。

 

黒田清輝 (1866~1924)

 洋画家、政治家。薩摩国鹿児島城下東千石馬場町(現鹿児島市)生まれ。通称新太郎。本名は「きよてる」だが、画名は「せいき」。薩摩藩黒田清兼の子として生まれ、伯父の子爵黒田清綱の養子となる。法律を学ぶためにフランスへ旅立つが、かの地で画家に転向することを決意し、ファエル・コランに師事する(個人の感想だが、絵を見て清輝よりも上手いと思った)。1891年「読書」、1893年に「朝妝(ちょうしょう)」(第二次世界大戦で焼失)がフランスの展覧会で入選。ほかに「湖畔」(1897)、「智・感・情」(1899)など。東京美術学校教授となり、帝国美術院院長などを歴任、1920年には貴族院議員となった。

黒田清輝像>

場所:長島美術館(鹿児島県鹿児島市武3-42-18)

竣工:

像高:

作者:伊藤傀

撮影時:2020年3月22日  

説明:黒田像は、東京の黒田記念館内にもある(東京都台東区上野公園13-9)。

 

〇海老原喜之助 (1904~1970)

 洋画家。鹿児島県鹿児島市生まれ。上京後、アテネ・フランセでフランス語を学び、19歳で単身渡仏し、藤田嗣治に師事する。代表作は「姉妹ねむる」「港」など。

<海老原喜之助像>

場所:長島美術館(鹿児島県鹿児島市武3-42-18)

竣工:

像高:

作者:細野稔人

撮影時:2020年3月22日  

説明:

 

 

東郷青児 (1897~1978)

 洋画家。鹿児島県鹿児島市生まれ。本名は東郷鉄春。独特のフォルムの女性像で有名。作家の宇野千代と同棲するも、離別。二科会の会長となり、「二科会のドン」と呼ばれた。東京の新宿の「SOMPO美術館(旧東郷青児美術館)」は、東郷青児のコレクションを中心とする美術館である(ゴッホの「ひまわり」を約53億円で落札したことで有名)。

東郷青児像>

場所:長島美術館(鹿児島県鹿児島市武3-42-18)

竣工:

像高:

作者:西常雄

撮影時:2020年3月22日  

説明:

 

和田英作 (1874~1959)

 洋画家。鹿児島県肝属郡垂水村(現鹿児島県垂水市)生まれ。3歳過ぎで上京し、原田直次郎の洋画塾(鍾美館)に入る。その後黒田清輝の塾に入り、白馬会に参加する。東京美術学校の西洋画科に入る。その後ドイツに留学し、帰国後に東京美術学校の教授となり、のち校長となった。代表作は「渡頭の夕暮」「おうな」「憲法発布式」(聖徳記念絵画館)など。

和田英作像>

場所:長島美術館(鹿児島県鹿児島市武3-42-18)

竣工:

像高:

作者:千野茂

撮影時:2020年3月22日  

説明:

 

〇有島生馬 (1882~1974)

 洋画家。神奈川県横浜市生まれ。作家の有島武郎の弟、里見弴の兄である。学習院の中等科4年の時に肋膜炎となり、父の故郷の鹿児島県薩摩郡平佐村(現鹿児島県薩摩川内市)に転地療養する。その後東京外国語学校(現東京外語大学)イタリア語科に入学、卒業後イタリアに留学する。帰国後兄弟と共に『白樺』同人となり、いち早くセザンヌを日本に紹介した。

<有島生馬像>

場所:長島美術館(鹿児島県鹿児島市武3-42-18)

竣工:

像高:

作者:桑原巨守

撮影時:2020年3月22日  

説明:

 

藤島武二 (1867~1943)

 洋画家。薩摩国鹿児島城下池之上町(現鹿児島市)生まれ。最初日本画を学ぶが、24歳の時に洋画に転向、黒田清輝の勧めで東京美術学校の教師になると、ずっと同校で後進の指導にあたった。黒田の主宰する「白馬会」にも参加した。代表作は、「天平の面影」「蝶」「黒扇」など。

藤島武二像>

場所:長島美術館(鹿児島県鹿児島市武3-42-18)

竣工:

像高:

作者:本郷新

撮影時:2020年3月22日  

説明:

 

オノレ・ド・バルザック (1799~1850)

 フランスの作家。フランス中部のトゥール生まれ。小説を書く時以外は、社交界でたらふく食べるか、知人と楽しく過ごすかで費やされ、「大食い」は有名であり、事業の失敗と共にこのぜいたくな生活から莫大な借金が残った。代表作は『ゴリオ爺さん』。

バルザック像>

場所:長島美術館(鹿児島県鹿児島市武3-42-18)

竣工:

像高:

作者:オーギュスト・ロダン

撮影時:2020年3月22日  

説明:この像は、美術館の正面入り口に立つ。正式名は「裸のバルザック」である。ロダンは、これ以外にもガウンをまとった「バルザック」像を作っている(神奈川県箱根の「彫刻の森美術館」にある)。この像は、、フランスの文芸家協会からバルザックの記念像の発注を受けた時に作ったもので、協会から酷評されたものだが、「裸のバルザック」像は、それを作るために習作したもの。まあ、これは「彫像」かな?

 

長島美術館の入り口に並ぶ像は、みな鹿児島県ゆかりの人物(有島生馬以外は生誕地であり、有島も1年間病気療養している)である。