銅像ハンターtaguttiの銅像ハンティング記

銅像好きがこじれてよじれて20年以上。日本中の銅像ハンティングは続きます…

鳥取県編 その14

明けましておめでとうございます。拙い文ですが、本年もよろしくお願いいたします。

 

〇がしゃどくろ(餓者髑髏)…戦死者や野垂れ死にしたものなど、埋葬されなかった死者の骸骨や怨念が集まってできた巨大な骸骨。夜中にガチガチと音を立ててさまよい歩き、生者を見つけると襲いかかり、握りつぶして食べるという。昭和中期に創作されたらしいが、歌川国芳の浮世絵『相馬の古内裏』に描かれた巨大な骸骨の画が参考とされる。 

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歌川国芳の「相馬の古内裏」の巨大骸骨)


〇傘化け…から傘おばけ、一本足、からかさ一本足などとも。江戸時代以降の草双紙、おもちゃ絵、カルタなどに描かれた。一つ目の付いた傘が一本足で飛び跳ねるシーンが描写される。有名だが地方の伝承がほとんどなく、付喪神の一種ともいえる。 

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ゲゲゲの鬼太郎の塔…2008年に作られた妖怪広場の泉の中に立つ塔。9体の像が内外に立つが、画面右端の傘の中から鬼太郎が立小便している姿がシュール。その下の池ではねずみ男が泳いでいるし💦。それ以外は中央の薦の家にカッパとタヌキ。画面左のタワーの上に、河童の三平悪魔くん。塔の下にさざえ鬼と岸涯(がんぎ)小僧。さざえ鬼は、鳥山石燕の『百器徒然袋』に載る妖怪で、頭部分がさざえ、それに手足がついているが、水木しげるは鬼太郎の敵キャラとして活躍させている。岸涯小僧は、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に載る妖怪。おかっぱ頭にヤスリのような歯を持ち、魚を捕るという。アニメ版では、第4シリーズで「ねずみ男を尊敬するキャラ」として描かれている。画面の左端にいる小豆洗いは別項で。 

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〇小豆洗い…誰もいない川で、ショキショキと音を立てて小豆を洗うといわれている妖怪。全国各地で伝承が伝わる。小豆はかり、洗濯キツネとも。 

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(「河童の泉」の像)

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水木しげるロードの像)

 

〇方相氏…追儺(ついな)と呼ばれる、大晦日に宮中でおこなわれる年中行事。または民間でおこなわれる。立春(節分)の年中行事で登場する鬼を儺(だ、な)あるいは大儺(だいな)などと共に方相氏が追い払う。方相氏は4つの目を持つ四角い面をつけ、右手に戈、左手に大きな盾を持つ。しかし時代が下がると、方相氏自身が鬼を示す役割に変わっていくらしい。 f:id:tagutti:20210102152835j:plain

 

〇さがり…岡山県邑久郡に伝わる妖怪。馬の首だけの姿で、路傍の古い榎の木からぶら下がった状態で現れる。特に悪さをしないが、鳴き声をあげたりして人脅かすともいわれる。 

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〇手の目…鳥山石燕の『画図百鬼夜行』にある妖怪。座頭姿で両目が顔になく、両掌に一つずつついている。盲人が悪党に襲われ、金品を奪われて殺された者だともいう。 

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〇猫又…日本各地に伝わるネコの妖怪。山中にいる化物と人家で飼われている老猫が化けるものに大別される。山中にいるものとしては、古くは鎌倉時代藤原定家の『明月記』に、江戸時代では紀伊国山中、越中国などで紹介される。一方人家にいるものは、鎌倉時代の『古今著聞集』に載り、しっぽが二つになるというところから、「猫又」とされる。また「化け猫」もいるが、一応違うらしいが、混同される。 

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〇竹切狸…京都府南桑田郡保津村(現亀岡市)に伝わるタヌキの妖怪。山の竹藪に棲んでおり、竹を切る音を立てて人を化かす。「チョン、チョン」とタケの小枝を切る音、「キィキィ」と根元を切る音、「ザザッ」と竹の倒れる音がするが、翌朝のその場所に行っても竹は倒れていない。 

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〇隠神刑部狸(いぬがみぎょうぶだぬき)…伊予国(現愛媛県)松山に伝わる化けタヌキ。享保の大飢饉に際して起こったお家騒動をもとに書かれた、実録物語『伊予名草』、のちに講談話となった『松山騒動八百八狸物語』に登場する。四国は狸の伝説が多いが、松山は7世紀半ばから始まるほど歴史を持ち、江戸時代にその数は808匹となった。その総帥がこの「隠神刑部狸」である。話では、お家騒動の際に謀反側に立って、魁夷を起こして助力したが、稲生武太夫(『稲生物怪録』で知られる藩士)によって、久万山に封じ込められてしまう。 

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〇件(くだん)…19世紀前半から日本各地で知られるようになった妖怪。「件」の字が、「人+牛」というところから、半人半牛の姿となり、生まれてすぐに死ぬが、その間にさまざまなことを予言し、その予言は間違いなく起こるとされる。

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