銅像ハンターtaguttiの銅像ハンティング記

銅像好きがこじれてよじれて20年以上。日本中の銅像ハンティングは続きます…

鳥取県編 その19

〇座敷童子…「ざしきわらし」。主に岩手県を中心として東北に伝わる妖怪。座敷もしくは蔵に棲むとされ、家人に悪戯を働く、見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらすなどの伝承がある。『遠野物語』に記事があり、赤面垂髪の5、6歳くらいの小童というが、住み着く家で姿かたちが変わるとも言われる。岩手県金田一温泉の「緑風荘」、盛岡市の「菅原別館」、遠野市の「わらべ」などに出るとされる。 

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〇雪女…雪の妖怪。全国に言い伝えがある。起源も古く、室町時代の『宗祇諸国物語』で、越後国(現新潟県)で見たとの記述がある。呼び方は様々だが、常に白装束を身にまとい男に冷たい息を吹きかけて凍死させたり、男の精を吸い尽くして殺したりするところは共通している。 

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〇丸毛…水木しげるの創作した妖怪。毛むくじゃらの体に手足と目がつき、口は頭のてっぺんにある。普段は貯金箱のふりをしていて、お金を入れるときは大人しいが、それを取り出そうとすると指を噛んだりする。

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〇だるま…本来はインドから中国へ仏教を伝えた僧侶、達磨大師のこと。嵩山少林寺で壁に向かって9年間座禅を続けたとされる(面壁九年)。結果、手足が腐ってしまったという伝説が起こり、玩具としての達磨が作られるようになった。さらに妖怪としては水木しげるの創作で、この玩具の達磨に手足が生え、どんな攻撃にも耐えるタフさと腹から大量に繰り出す子だるまが攻撃をする。

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〇金霊…「かなだま」「かねだま」。日本に使わる金の精霊、金の気。これが訪れた家はお金が溢れて栄えるらしい。鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に登場する。欲深いもののところではなく、善行を積み、無欲なものの家に現れる。水木しげるは体験していて、轟音と共に空を飛ぶ巨大な十円玉のような姿だったという。 

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〇大元神…「おおもとがみ」。石見地方に伝わっている。荒神と共に村の守護神。神木に蛇わら(龍の場合も)を巻き付けた状態で祀られる。部族の祖先神と言われ、蛇が東方を司ることから、太陽神ともされて稲作の豊穣を願ってきた。水城しげるロードでも、東側に置かれている。 

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たんころりん宮城県仙台市に伝わる柿の木の妖怪。老いた柿木が化ける。成った柿の実を採らずに法落ちしておくと現れるとされ、姿は僧侶のようで、服の袂に柿の実を次々と入れて歩き、その後種を巻き散らすためにその実を落としていくという。柿の木の精だともいう。 

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〇一つ目小僧…額の真ん中に目が一つだけある坊主頭の子どもの妖怪。一般的に悪さはしない。豆腐小僧との関連も。山の神は一つ目のことが多く(たたら製鉄では炉の火を片目で見続けるために片目を失うものが多かったことから)、それとの関連も。

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〇岩魚坊主…大きな岩魚が化けた妖怪。江戸時代の随筆『想山著聞奇集』に美濃国恵那郡(現岐阜県中津川市付近)での伝承が載り、それ以外にも各地に伝聞する。釣り人が釣りをしていると、一人の坊主が現れ長話に興じる。内容は、この辺りは寺領なので釣をあまりしないようにということだが、釣り人がご飯をふるまったので、坊主は気分良く帰っていく。その後大きな岩魚がかかり、持って帰って捌くと、腹から釣り人が振舞ったごはんが出てくる、というものである。

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