〇下田歌子 (1854~1936)
明治から大正期の教育者、歌人。美濃国恵那郡岩村(現岐阜県恵那市)生まれ。女性教育の先覚者で、実践女子学園の基礎を築いた。出生名は平尾鉐(せき)。明治維新後東京に出ると、1872年に女官に抜擢され宮中に出仕。分家の家で身につけた礼儀作法や学識、和歌の才能で皇后、美子から寵愛され、「歌子」の名を賜る。1879年に剣客の下田猛雄と結婚し、宮中出仕を辞す。夫の死後華族女学校の教授に迎えられた。その後も宮中と関わりながら、女子の地位向上、生活改善のため教育の重要性を意識し、実践女子学園はもちろん、順心女学校(現順心広尾学園)や日本女子大学の創設に関わった。
<下田歌子像>
場所:岩村城址(下田歌子勉学所跡)(岐阜県恵那市岩村町88)
竣工:2003年
像高:
作者:石田昇
撮影時:2023年3月27日
説明:岩村城址の「岩村歴史資料館」のところに車を停め、けっこうな坂を登っていくと、右手に「下田歌子勉学所」の塀と門が見え、門をくぐると胸像がいる。その手前の左手の平らになったところに「顕彰碑」が立っている。恵那市による下田歌子の略伝は、この場所に立っている。
〇三好学 (1862~1939)
明治から戦前期の植物学者。美濃国恵那郡岩村の出身(生まれは岩村藩の江戸藩邸)。石川県の第三師範学校を出て、岐阜県の土岐学校(現瑞浪市立土岐小学校)の教員、校長をする。その後東京帝国大学理学部生物学科に入り、植物学を学ぶ。桜、菖蒲の研究および天然記念物保存事業に力を注いだ。また「景観」ということばを生み出したと言う。
<三好学像>
竣工:2004年
像高:
作者: 石田昇
撮影時:2023年3月27日
説明:岩村城址の下田歌子勉学所の反対側の平地に像は立つ。この地は「花菖蒲園」らしい。
〇佐藤一斎 (1772~1859)
江戸時代後期の儒学者。江戸の岩村藩邸生まれ。諱は坦(たいら)、字は大道。藩主松平乗薀(のりもり)の三男乗衡(のりひら)に仕え、後に彼が公儀儒官の林家に養子に迎えられ林述斎として家督を継ぐと、門人として門弟の指導に当たった。述斎の死後、昌平黌の儒官(総長)となり、多くの弟子を育てた(山田方谷・佐久間象山・渡辺崋山・横井小楠・安積艮斎など)。
<佐藤一斎像>
場所:岩村城址(岩村歴史資料館前)(岐阜県恵那市岩村町115)
竣工:2002年10月
像高:
作者:石田昇
撮影時:2023年3月27日
説明:岩村城址の岩村歴史資料館の場所に入ると、すぐ左の岩村城平重門の脇に座る。著書の『言志四録』は、西郷隆盛の愛読書であり、2001年に小泉純一郎首相が衆議院でこの内容を発言し、有名になった。
〇浅見與一右衛門(あさみよいちうえもん) (1843~1924)
明治、大正期の政治家、実業家。美濃国恵那郡岩村(現岐阜県恵那市)の出身。1865年に家督を継ぐと、町庄屋・郡議会議員・県議会議員(議長)・衆議院議員(2期)を歴任。地域の振興に努め、岩村電気軌道(全国で13番目の電気鉄道。国鉄明知線(現明知鉄道)の開通により、1935年全廃)を開設、電力事業で1942年まで存続した。
<浅見與一右衛門像>
竣工:1919年(太平洋戦争中に金属供出。1985年10月再建)
像高:
作者: 永井浩(元像は高村光太郎)
撮影時:2023年3月27日
説明:岩村歴史資料館の広場に入る道路の反対側に少し手前に、左側に上がる坂道があり、この上の「銅像公園」に像は立つ。
〇栃錦清隆 (1925~1990)
昭和(戦後)期の大相撲力士。第44代横綱。東京府南葛飾郡小岩村(現東京都江戸川区南小岩)生まれ。本名大塚清。小学校卒業後の13歳で春日野部屋に入門、1939年初土俵。小兵であったが順調に出世を遂げ、戦後の1946年に新入幕、以降技能力士として活躍、1952年に大関、1954年に横綱となった。栃若時代(初代若乃花)として、相撲人気を高める活躍をした。1960年に引退、年寄春日野となる。1974年に理事長に就任、両国国技館への移転などの大事業を成し遂げた。
<栃錦清隆像>
場所:日本大正村(大正村ロマン館)(岐阜県恵那市明智町1304-1)
竣工:1994年5月
像高:
作者:
撮影時:2023年3月27日
説明:ここに像があるのは、1986年に栃錦が日本大正村の初代議長に就任したから。ちなみに生まれ故郷のJR小岩駅に横綱土俵入りをかたどった銅像がある。
○高峰三枝子 (1918~1990)
女優、歌手。東京府芝区露月町(現東京都港区新橋)生まれ。父は高峰筑風という筑前琵琶奏者。しかし1936年父が急逝し、家計を支えるために松竹に入社。同年映画『母を尋ねて』でデビューした。たちまち人気を集めた。また映画『宵待草』の主題歌を歌うとヒットし、「歌う映画女優」と呼ばれた。戦後も活躍、『犬神家の一族』でブルーリボン賞を受賞、また上原謙と出た国鉄の「フルムーン」のCMの入浴シーンは話題となった。
<高峰三枝子像>
場所:日本大正村(大正村ロマン館)(岐阜県恵那市明智町1304-1)
竣工:1994年5月
像高:
作者:川本潤一郎
撮影時:2023年3月27日
説明:高峰は1986年日本大正村の初代村長となったことから、銅像が立つ。後ろの「大正ロマン館」には、高峰と栃錦の記念館となっている。
なお、大正ロマン館の下には、明智光秀の石像がいた(2020年6月建立)。